論文を読めば読むほど、「制度だけでは無理」が見えてくる
健康経営に関する研究や論文は年々増えています。しかし実際の現場では、「施策をやっても定着しない」「参加率が上がらない」と悩む企業が少なくありません。最新研究から見えてきたのは、“制度”と“現場”のズレでした。今回は、健康経営の研究論文から見える企業の課題と、成果につながる考え方を解説します。
「健康経営って、本当に効果があるんですか?」
健康経営の話をすると、経営者や管理職からこう聞かれることがあります。
確かに近年、健康経営に関する研究や論文は増えています。
・生産性向上
・プレゼンティーイズム改善
・離職率低下
・エンゲージメント向上
・医療費抑制
など、さまざまな効果が報告されています。
一方で現場では、
「施策を導入しても参加しない」
「イベントで終わっている」
「担当者だけが頑張っている」
「結局、何が変わったのか分からない」
という声も非常に多い。
つまり、
“健康経営は重要”という認識は広がっているのに、現場では機能していない企業が多い
という状況です。
実はこの課題、最新の研究論文でも共通して指摘されています。
最新研究で増えているテーマ
最近の健康経営研究では、単なる制度導入ではなく、
「行動変容」や「組織文化」
に注目する論文が増えています。
以前は、
・健康診断受診率
・制度導入数
・福利厚生充実度
など、“実施したか”が重視されていました。
しかし現在は、
・社員が継続的に参加するか
・現場で習慣化するか
・組織風土が変わるか
が重要視されています。
これは非常に大きな変化です。
つまり研究の世界でも、
「制度だけでは人は動かない」
という認識が強まっているのです。
なぜ健康経営は定着しないのか
研究論文でよく指摘されているのが、
“参加率”と“継続率”
の問題です。
例えば、
・健康アプリを導入した
・運動施策を始めた
・健康セミナーを開催した
最初は一定数が参加します。
しかし数か月後には、
・一部の人しか使わない
・参加者が固定化する
・忙しさで止まる
というケースが非常に多い。
これには理由があります。
それは、
健康行動は「正しい情報」だけでは続かない
からです。
例えば、
「運動が大切」
「睡眠が重要」
「食事改善が必要」
こうしたことは、多くの人がすでに知っています。
それでも続かない。
つまり問題は、
知識不足ではなく、行動設計不足
なのです。

論文で共通している“成功企業”の特徴
一方で、健康経営が定着している企業にも共通点があります。
研究で繰り返し出てくるのは、次の3つです。
① 管理職が関与している
健康経営が機能している企業では、
現場管理職が積極的に関わっています。
例えば、
・声かけ
・参加促進
・働き方調整
・コミュニケーション改善
などです。
逆に、
「担当部署だけで進める企業」
は、定着率が低い傾向があります。
つまり、
健康経営は“全社的な空気づくり”
が重要なのです。
② 日常業務に組み込まれている
もう一つ重要なのが、
“特別イベント化しない”
ことです。
例えば、
・朝礼前の短時間ストレッチ
・定期的な声かけ
・業務導線に合わせた運動
・相談しやすい仕組み
など、
日常の中に自然に組み込まれている企業ほど、継続率が高い。
逆に、
年1回のイベントだけでは行動は変わりません。
ここも、多くの研究で共通しています。
③ “心理的安全性”が高い
最近特に増えているのが、
心理的安全性と健康経営の関連研究です。
例えば、
・相談しやすい
・不調を言いやすい
・休みを取りやすい
・助けを求めやすい
こうした環境がある企業ほど、
健康施策への参加率も高くなる傾向があります。
つまり健康経営は、
単なる健康施策ではなく、
組織文化づくり
にも関係しているのです。
多くの企業が見落としていること
ここで重要なのは、
健康経営は“導入”より“運用”が難しい
という点です。
しかし多くの企業では、
・制度導入
・認定取得
・施策実施
に意識が向きやすい。
その結果、
「やっているけど変わらない」
状態になります。
これは研究でもよく指摘される、
“形骸化”
の問題です。
つまり、
制度が存在しても、現場行動が変わっていない
のです。

なぜ社内だけでは難しいのか
ここで多くの担当者が悩みます。
「理論は分かる。でも現場で続かない。」
実際には、
・参加率向上
・行動変容
・管理職巻き込み
・継続運用
まで設計する必要があります。
さらに、
・運動
・食事
・メンタル
・コミュニケーション
など、複数領域の知識も必要です。
つまり、
担当者だけで設計・運用するには負荷が大きい
のです。
健康経営の窓口が重視していること
一般社団法人 健康経営の窓口では、
健康経営を
「制度導入支援」ではなく、「現場定着支援」
として考えています。
特徴は、
・国家資格者が現場に入る
・参加率を上げる仕組みづくり
・地域密着型で継続支援
・運動、食事、メンタル、相談、ワークショップまで対応
という点です。
大切にしているのは、
「何を導入するか」
ではなく、
「どうすれば社員が行動し続けられるか」
です。
これは、最新研究でも重要視されている視点と一致しています。
これからの健康経営に必要な視点
今後の健康経営では、
「制度を増やすこと」
以上に、
・現場に合っているか
・継続できるか
・参加しやすいか
・相談しやすいか
が重要になります。
もし今、
「施策をやっても定着しない」
「参加率が伸びない」
「担当者だけが頑張っている」
そんな状態であれば、それは珍しいことではありません。
そして研究が示しているのは、
健康経営は“制度”ではなく、“行動設計”の時代に入っている
ということです。
健康経営に関する情報や研究は増えていますが、「実際に自社でどう進めればいいか分からない」というご相談は非常に多くあります。まだ具体的な施策が決まっていない段階でも大丈夫です。まずは現状整理から、お気軽にご相談ください。
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