災害時の従業員健康支援とBCP|企業が備えるべき健康対策

地震や台風、豪雨などの災害が起きたとき、企業は事業を止めないためのBCPを考えます。

しかし、設備やデータの復旧だけでは事業は再開できません。実際に現場を動かすのは従業員です。

今回は、災害時に起こり得る従業員の健康課題と、BCPに健康支援を組み込む際の具体的な考え方を解説します。

目次

健康状態をBCPに入れてますか?

「BCPは作ってあります。」

そう聞いて、安心していないでしょうか。

災害時の連絡網、避難場所、データのバックアップ、代替拠点など。

企業が事業を継続するためには、こうした準備が欠かせません。

しかし、ここで一つ見落とされやすいものがあります。

それが、

従業員の健康です。

どれだけ立派なBCPを作っていても、実際に現場で働く社員が疲弊していたら、事業を継続することはできません。

災害時には、

・睡眠不足
・食事や水分の不足
・長時間労働
・身体的な疲労
・強い不安やストレス
・持病や服薬への対応

など、普段とは違う健康リスクが発生します。

つまり、

「事業を継続するために、従業員が健康に働ける状態を維持する」

という視点がBCPにも必要なのです。


災害時には従業員の健康リスクが高まる

災害が発生すると、企業は通常とは異なる状況に置かれます。

例えば、

「とにかく仕事を止めない」

という判断から、限られた社員に業務が集中することがあります。

復旧作業が長引けば、

・長時間勤務
・休憩不足
・睡眠不足

などにつながります。

また、避難生活や交通機関の混乱によって、普段通りの生活ができなくなることもあります。

身体だけではありません。

「家族は無事だろうか」

「この先、会社はどうなるのだろう」

という不安を抱えながら働く社員もいるでしょう。

災害時の健康支援では、

身体と心の両方を見る必要があります。


「社員は頑張ってくれる」で終わらせない

BCPを考えるとき、

「災害が起きたら社員に頑張ってもらう」

という発想になってしまうことがあります。

もちろん、緊急時には通常以上の対応が必要になることもあります。

しかし、

「頑張れること」と「健康を損なってまで働くこと」は別です。

疲労が蓄積すれば、

・判断ミス
・作業ミス
・事故
・コミュニケーション不足

などが起こりやすくなります。

これは従業員本人だけの問題ではありません。

結果として、

事業継続そのものを難しくするリスク

になります。


BCPに入れておきたい従業員健康支援

では、具体的に何を準備すればよいのでしょうか。

重要なのは、災害が起きてから考えるのではなく、

平時から仕組みにしておくこと

です。


① 従業員の安否確認だけで終わらせない

安否確認では、

「無事です」

だけではなく、

「勤務できる状態なのか」

という視点も必要です。

例えば、

・本人の負傷
・家族の状況
・交通手段
・服薬や持病
・精神的な負担

など、勤務継続に影響する情報を確認できる仕組みを考えておきます。

ただし、健康情報にはプライバシーへの配慮が必要です。

必要以上の情報を集めるのではなく、

BCP上、本当に必要な情報だけを扱う

ことが重要です。


② 休憩・睡眠を「業務計画」に入れる

災害時は、

「休憩している場合じゃない」

という空気になりがちです。

だからこそ、

休憩や交代勤務そのものをBCPに組み込んでおく必要があります。

例えば、

・連続勤務を避ける
・交代要員を確保する
・休憩場所を決める
・水分や食事を確保する

といった準備です。

健康支援は、

「余裕があればやるもの」

ではありません。

事業を継続するための条件として考えることが大切です。


③ メンタルヘルス支援の準備

災害後には、強いストレスを感じる社員が出る可能性があります。

そこで、

・相談窓口の周知
・管理職への対応教育
・外部相談先の確保
・定期的な声かけ

などを平時から準備しておきます。

特に重要なのは、

「相談してください」と言うだけで終わらないこと。

管理職が社員の変化に気づき、

「最近、眠れている?」

「無理していない?」

と声をかけられる環境をつくっておくことも重要です。


平時の健康経営が災害時にも活きる

ここで、健康経営とBCPがつながります。

例えば普段から、

・健康相談
・運動習慣づくり
・メンタルヘルス対策
・管理職とのコミュニケーション
・健康状態の把握

などに取り組んでいれば、

災害時にも社員の変化に気づきやすくなります。

つまり、

健康経営は災害時のためだけに行うものではなく、平時の健康づくりがそのままBCPの土台になる

ということです。

健康支援を「特別な施策」にしない

BCPのために、

「災害時専用の健康対策を新しく作ろう」

と考える必要はありません。

むしろ、

普段から社員が健康に働ける仕組みを作っておくことが重要です。

例えば、

朝のストレッチ。

健康相談。

管理職とのコミュニケーション。

メンタルヘルス研修。

こうした日常の取り組みが、

災害時の健康リスクを減らす基盤になります。


なぜ社内だけでは難しいのか

BCP担当者と健康経営担当者が別になっている企業では、

「BCPは総務」

「健康は人事」

と、取り組みが分断されていることがあります。

しかし災害時には、

人と事業は切り離せません。

さらに、

「健康支援をBCPにどう組み込むのか」

「どこまで準備すればいいのか」

を社内だけで整理するのは簡単ではありません。

通常業務もある中で、

健康施策の企画・運営・効果測定まで行うとなると、担当者の負担も大きくなります。

だからこそ、必要に応じて外部の専門家を活用することも選択肢になります。


健康経営の窓口が大切にしていること

一般社団法人 健康経営の窓口では、

「社員が安心して活躍できる会社づくり」

という視点から健康経営を支援しています。

国家資格者が現場に入り、

・運動
・食事
・メンタルヘルス
・健康相談
・ワークショップ

など、企業の課題に合わせた支援を行っています。

また、単発の健康イベントを実施するだけではなく、

社員が参加しやすく、継続できる仕組み

まで考えることを大切にしています。

平時から社員との接点をつくっておく。

健康について相談できる関係をつくっておく。

職場のコミュニケーションを整えておく。

こうした積み重ねが、いざというときの「人」の強さにつながります。


まとめ

BCPというと、

「設備をどう復旧するか」

「データをどう守るか」

「どこで事業を再開するか」

といった話に目が向きがちです。

しかし、

事業を動かすのは人です。

だからこそ、

・従業員の安否
・身体的な疲労
・睡眠や休憩
・食事や水分
・メンタルヘルス
・持病や服薬への配慮

まで含めて考えることが重要です。

そして、その準備は災害が起きてからでは遅い。

平時から健康経営に取り組み、

社員が安心して働ける環境をつくっておくことが、結果として企業のレジリエンスを高めます。

もし、

「BCPは作っているけれど、従業員の健康まで考えられていない」

「健康経営とBCPをどうつなげればいいか分からない」

という状態なら、

まずは現在の取り組みを一度整理してみてはいかがでしょうか。

「人を守ること」と「事業を守ること」は、別々の話ではありません。


「BCPはあるけれど、社員の健康支援まで考えられていない」

そんな企業様も、まずは現在の取り組みを整理するところから始められます。

健康経営とBCPをどうつなげればよいか、自社の状況に合わせて一緒に考えてみませんか。

健康経営の窓口

健康経営の窓口公式サイト


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この記事を書いた人

『理学療法士』
『健康経営エキスパートアドバイザー』

2015年~パーソナルトレーニング事業を創業
2020年~理学療法士免許取得
2023年~健康経営エキスパートアドバイザー
法人向け整体、健康経営優良法人の認定サポートを開始。
「健康行動をしたくなる」セルフケア指導を得意とします。

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