健康経営優良法人2026 ネクストブライト1000取得

二期グループが進める「ワンチームの健康経営」

━◆社内ジムから広がる、つながりと健康の新しい形◆━
株式会社二期は一都三県のエリアを中心に、不動産土地開発・企画事業、マンションリノベーション再販事業、リフォーム事業を展開している企業です。
2021年から健康経営に取り組み、「健康経営優良法人」に2022年から4年連続で認定を受けています。
さらに2025年度から新たに設定された中規模法人上位 501〜1500社の「ネクストブライト1000」にも選定されました。また、スポーツ庁が設定する「スポーツエールカンパニー」も4年連続で認定を受けています。
株式会社二期
専務取締役 古姓 崇男
健康経営推進チーム
健康管理統括者
━◆コロナ禍を機に芽生えた「健康への意識」◆━
2021年、二期グループは新たに健康経営の取り組みをスタートしました。
当時はコロナ禍で社員同士が直接会う機会が減り、社内の一体感が薄れていく状況にありました。
この状況をきっかけに、「今、社員が本当に求めているものは何か」を探るため、アンケートを実施しました。
その結果、多くの社員が「運動したい」「体を動かしたい」と回答しました。
若い世代を中心に、在宅勤務や外出制限による運動不足やストレスを感じている社員が多く、“健康”が組織の大きなテーマとして浮かび上がりました。
━◆社長の発想で実現した「社内ジム」◆━

アンケート結果を受けて、当初は外部ジムの会費補助を検討していましたが、社長が「それなら自分たちの手で環境をつくろう」と提案しました。
こうして、社内にトレーニング設備を備えたジムを設置するという大胆な発想が生まれました。
着替えや移動などの手間がかかる外部ジムでは、どうしても心理的なハードルが高くなります。
その点、社内にジムがあることで、仕事の合間に10〜20分ほど体を動かしてリフレッシュすることができます。
二期では、体を動かすことで気分が切り替わり、新しい発想が生まれると考えています。
「ONE FOR ALL, ALL FOR ONE」
━◆健康経営と企業文化の融合◆━
二期グループにはもともと“ワンチーム”という文化があります。
ジムの導入をきっかけに、「ONE FOR ALL, ALL FOR ONE(一人はみんなのために、みんなは一人のために)」という標語が自然と社内に浸透しました。
健康づくりがチームの一体感を生み、経営理念とも深く結びついています。
現在では、社員同士でトレイルランや登山、サッカーに取り組むなど、運動を通じた交流が広がっています。
━◆不動産・建築業ならではの「働きやすさ改革」◆━

株式会社二期およびそのグループの事業は、不動産の取得・リフォーム・販売までを一貫して自社で行うスタイルです。
業務は建築や不動産取引が中心。リフォームの際にはスケルトン状態にして、キッチンや浴室などを一から設計し直します。
この“自社完結型”の仕組みが、働きやすさの基盤にもなっています。
グループ内で設計も行うことができるので、外注設計のように、施主からの細かい変更依頼に振り回されるようなことがありません。
そのため、スケジュールや負担を自社でコントロールしやすく、結果として社員の健康維持にもつながっています。
━◆誰もが参加しやすい運動環境を整備◆━
現在、社内ジムは朝・夜・土日を含めていつでも利用可能な状態です。
年間で延べ352人(重複含む)が利用している一方で、子育て中の社員や時間帯が合わない社員など、参加が難しい層も一定数いるのが現状です。
そこで、午後3時や4時などの時間にトレーナーがセッションを設け、朝や夜に参加が難しい社員が利用しやすいように工夫しています。
また、「女性専用時間」を設定することで、男性社員と一緒のトレーニングに抵抗を感じる人でも安心して参加できる環境を整えています。
仕事中でも10分、20分だけ体を動かしてリフレッシュできるように。性別や家庭環境に関係なく、みんなが平等に健康に取り組める会社を目指しています。
社内ジムにはレンタルウェアやタオルも常備され、運動後にすぐシャワーを浴びて着替えられるようになっています。

また、「オフィスストレッチ」も人気の取り組みです。
オフィスのフロアに講師が上がり、15分間の軽いストレッチを月1回実施しています。午後の眠気が出る時間帯に行うことで集中力を高め、リフレッシュ効果を実感する社員が増えています。
時間を確保しづらい人でも参加しやすく、ジムに行かずとも“職場で動ける仕組み”として定着しています。
運動が得意でない人でも、ストレッチなら気軽に参加でき、短時間で気分が変わることで午後の生産性が上がります。
━◆拠点事情に合わせた運動・ケアの展開◆━
現在、健康経営ミーティングを月1回開催し、全支店長が参加して本社施策の横展開を検討しています。
本社のように自前のジムを置けない拠点では、各支店で話し合い近隣ジムの利用を通じ、運動機会を担保することを検討しているところです。

リカバリー面については、本社では月に数回整体マッサージ師が来社し、社員がその場で施術を受けられる仕組みを整えています。
人気が非常に高く、当初月1回だった開催を増やしました。予約が集中するため、1人月1回までの制限を設けています。
利用時は1回500円を社員が負担し、残りは会社が負担しています。
支店では常設の施術機会がないため、外部マッサージ店の利用を推奨し、会社負担で同等のケアを受けられる体制を整えています。
━◆働く人がリラックスできる空間づくり◆━

本社には、社員が仕事の合間にリラックスできる多目的スペースも設けられています。
ダーツを楽しみながら軽くお酒を飲んだり、モニターで映像を流して仲間と語り合ったり。業務時間外には交流会やランチミーティングの場としても使われ、予約制で誰でも利用できる“社内の憩いの場”として機能しています。
屋上には社員が自由に利用できるテラススペースがあり、季節の花や緑が一年中彩りを添えています。
常に手入れの行き届いた植物が並ぶ空間は、都市の中心にいながら自然を感じられる場所です。
夏にはバーベキューイベントも開催され、社員の人気スポットとなっています。
健康経営の理念を「制度」だけでなく「空間」や「デザイン」にまで広げることで、同社の職場は“働きたい・居たい”と思える場所へと進化しています。
━◆女性専用講座と多様な健康テーマ◆━
女性社員が参加しやすい健康環境づくりとして、女性専用の講座やフェムケア研修を開催しています。
女性特有の健康課題をテーマに、生理・更年期・ホルモンバランスなどを学ぶ場を設け、参加は女性のみとしています。
また、全社員向けの健康講座として「睡眠改善セミナー」などを実施。セミナーは全拠点でWeb配信し、全国の社員が同時に受講できるようにしています。
━◆禁煙支援と課題意識◆━
健康経営の一環として、希望者への禁煙外来補助も行っています。
しかし、建設・不動産業という業界特性から、依然として喫煙率は高めで、男女を問わず喫煙者は多く、完全な禁煙推進には課題が残っています。
ただ、最近は社長を含めて“やめてみよう”という動きもあり、少しずつ変わり始めています。
ユーモアを交えながら、喫煙抑制ポスターや映像を活用するなど、社内で意識改革を進めているところです。
社員同士が声をかけ合いながら、健康行動のきっかけをつくっています。
━◆“食”を軸にした行動変容◆━

発酵や基礎栄養を学ぶヘルスフード講座を定期開催し、自家製味噌づくりなど実践型の学びを提供しています。
社内には置き食を導入して朝食摂取率向上をKPIとして設定し、忙しい朝でも健康的な補給ができる環境を整えています。
さらに近隣の定食店と連携したランチチケットを月3枚配布し、会社負担で1食あたり1,200円を補助しています。
外食価格が高いエリアでも栄養バランスの良い和定食を選びやすくする工夫です。

また、カゴメのベジチェックを活用し、野菜摂取量を可視化するイベントを継続しています。
初回と1か月後の2回測定をワンセットとし、絶対値だけでなく伸び率も評価して表彰します。
京都・大阪・沖縄など各拠点の社員も、最寄りの測定スポットで計測して結果を本社へ共有することで全社参加型のイベントとして運用しています。
━◆オンライン診療の導入で“時間の健康”も守る◆━
ちょっとした休憩を活用したり、会社を休んだりせずに診療するため、オンライン診療システムを導入しました。
アプリを使ってスマートフォンから診療・薬局連携・処方を完結できるので、社員は休憩時間の15分ほどで診察を受けられ、薬は翌日自宅に郵送。
花粉症や皮膚トラブルなど日常的な不調に対して、通院時間を削減しながら対応できます。
利用料は会社が負担しており、従業員は診察代と薬代、薬の配送費のみで利用することができます。
「半日かかっていた通院が10分15分で終わる。」「生産性が格段に上がり、働きながら自分の体調も整えられるようになった。」という声があります。
━◆次なる挑戦:休暇制度と二次検診の拡充◆━
今後は「特別休暇」や「生理休暇」「バースデー休暇」など、社員の心身をリセットできる制度の拡充を検討しています。
さらに、健康診断後の二次検診についても、受診率100%を目標に掲げ、会社負担での受診や評価制度との連動を視野に入れています。
健康を“自己責任”で終わらせず、組織として支える仕組みづくりを模索しています。
健康を保つことは、個人だけの課題ではなく会社の責任。社員が安心して働ける制度設計を続けます。
━◆健康経営から広がる地域貢献◆━
本社で実施しているマッサージ施術では、社員が1回500円を自己負担しますが、この金額は会社収益にはせず、地域の子ども支援活動に寄付しています。社員の健康維持がそのまま地域貢献につながる仕組みです。
寄付先は渋谷区の「こどもテーブル」事業で、地元企業が協賛するワークショップを通じて子どもたちの学びや体験を支えています。
ワークショップは毎回人気で、抽選になるほどの盛況です。
健康経営を通して地域社会に貢献できるのは、社員にとっても誇りになります。
━◆健康経営を“幸せな職場づくり”へ◆━
健康経営の最終的な目的は「社員一人ひとりの幸福」です。
仕事に費やす時間は人生の大部分を占めるからこそ、職場が幸福な場であることが人生全体のQOLを高める鍵。
「人生の半分を過ごす職場がアンハッピーなら、人生の半分がアンハッピーになる。だからこそ職場から幸せをつくりたい。」
と考えます。
身体の健康、心の健康、社会的なつながり。
それらを総合的に支える仕組みとしての健康経営が、社員の幸福と企業の成長の両輪を形づくっています。
取材日:2025年11月10日
聞き手:岩浅秀郎(健康経営実践士/コーディネーター)
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