一般社団法人健康経営の窓口

健康経営を実践するヒント

健康経営ってなに?
~企業が従業員の健康に本気で取り組む理由~
超少子高齢化と労働人口減少が企業に突きつける課題
日本は今、かつてないスピードで少子高齢化が進み、労働人口が減少しています。
この深刻な状況は、企業にとって大きな課題となっています。

人材確保の難しさ: 新卒採用が難しくなり、競合他社との採用合戦が激化しています。
生産性の低下: 高齢化による労働力人口の減少は、企業の生産性低下に直結します。
人材育成コストの増加: 新入社員の育成に多くの時間とコストを割かなければならない状況です。
健康経営が企業にもたらすもの
このような状況下で注目されているのが、健康経営です。健康経営とは、従業員の健康増進を経営の最重要課題の一つとして位置づけ、戦略的に取り組むことです。

従業員の健康増進は、企業にどのようなメリットをもたらすのでしょうか?

生産性向上: 健康な従業員は、病気やケガによる欠勤・早退が少なく、高いパフォーマンスを発揮できます。
ある調査では、健康経営に取り組む企業は、取り組んでいない企業に比べて生産性が約15%向上するという結果が出ています。


離職率の低下: 健康で働きやすい職場環境は、従業員の満足度を高め、離職率を低下させます。人材育成コストの削減にもつながります。

採用力向上: 健康経営に取り組む企業は、求職者から魅力的な企業として評価され、優秀な人材の採用に繋がります。

企業イメージ向上: 健康経営は、企業の社会貢献活動として評価され、企業イメージ向上にも貢献します。

ワーク・エンゲージメント向上と健康経営
健康経営は、従業員のワーク・エンゲージメント向上にもつながります。
ワーク・エンゲージメントとは、従業員が自分の仕事に積極的に関わり、組織目標達成のために高い意欲と能力を発揮しようとする状態のことです。

健康な体と心を持つ従業員は、仕事への意欲が高まり、組織への帰属意識も強まります。
健康経営の取り組みを通して、従業員のワーク・エンゲージメントを高めることで、企業はより一層の成長を期待できます。

健康経営の具体的な取り組み例
健康経営の取り組みは、企業の規模や業種によって様々ですが、一般的な取り組みとしては以下のようなものがあります。

健康診断の受診促進: 定期的な健康診断の受診を奨励し、その結果に基づいた健康指導を行う。
運動習慣の促進: オフィスでのストレッチやウォーキング、社外でのスポーツ活動の支援などを行う。
栄養バランスの改善: 社員食堂のメニュー改善や、健康的な食事に関する情報提供を行う。
ストレスチェックの実施: 従業員のストレス状態を把握し、適切な対策を講じる。
メンタルヘルス対策: EAP(従業員支援プログラム)の導入や、心の健康に関する研修の実施などを行う。

まとめ

少子高齢化と労働人口減少という厳しい状況下において、健康経営は企業にとって喫緊の課題となっています。
健康経営に取り組むことで、従業員の健康増進だけでなく、生産性向上、離職率低下、採用力向上、企業イメージ向上など、様々なメリットが期待できます。

ワーク・エンゲージメント向上も、健康経営と密接に関連しており、従業員のモチベーションを高め、組織全体の活性化に繋がります。

健康経営は、一朝一夕にできるものではありません。経営層から現場まで、全社一丸となって取り組むことが重要です。

【ポイント】

健康経営は、従業員の健康増進だけでなく、企業全体の活性化にもつながる。
ワーク・エンゲージメント向上は、健康経営の重要な目標の一つ。
健康経営の取り組みは、企業の規模や業種によって様々。

【その他】

各企業の状況に合わせて、具体的な取り組み内容を検討することが重要。
健康経営の効果を測定するためには、定期的な評価を行うことが必要。
健康経営に関する法規制や助成金制度を積極的に活用することも検討する。

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【参考文献】

経済産業省「健康経営」
厚生労働省「健康経営」
日本健康経営研究会「健康経営白書」